EVENT イベント

第157回「技術見学会」

2015年11月16日(月曜日)、東京支部渉外部会企画による第157回技術見学会を開催いたしました。今回は「東京ガス(株) 袖ケ浦工場LNG プラザ」と「公益財団法人かずさDNA 研究所」の2施設を49名で訪問しました。当日は、晴天に恵まれ、快適な見学会となりました。はじめに、アクアラインを渡り袖ヶ浦にある東京ガス 袖ケ浦工場 LNG基地を訪れました。

まずは、LNGプラザのホールにて、DVDを見た後、LNG(液化天然ガス)、袖ヶ浦基地の概要、見学予定である敷地内の施設ついてご説明いただきました。天然ガスは、石炭・石油に比べると、硫黄分が少なく、地球温暖化などの原因となる二酸化炭素の発生も少ないクリーンなエネルギーであることがわかりました。説明を聞いた後は、エントランスにてLNGを使った実験も行われ、LNGについての理解が非常に深まりました。

実験後、バスに乗り込み、袖ケ浦基地内の施設見学をいたしました。袖ヶ浦基地は、世界最大級の規模を誇るLNG専用基地で、LNGタンカー受入バース、LNG地下タンク、オープン式ベーパライザー、熱量調整設備を見ることができました。隣接する東京電力・袖ヶ浦火力発電所とも連携し、一体運用することで、省エネルギー化していることもわかりました。日常、我々が当たり前に使用しているエネルギーは、このような企業努力によって支えられていることが良く理解できました。

見学後は、木更津にある龍宮城スパ/ホテル三日月にて、バイキング形式の昼食を終えた後、「公益財団法人かずさDNA 研究所」に向かいました。かずさDNA研究所は沼田武(元千葉県知事)が打ち出した、千葉新産業三角構想のもとに世界初のDNA専門研究機関として開所されました。現在、DNAの世界的研究成果を上げ続けている研究所です。研究所に到着後、DNA研究の概要についてご講演をいただきました。「DNA研究が歩んできた歴史」「DNAが生命の設計図であると言われる由縁」「ゲノム配列解析の進歩」など様々な話題がありましたが、世界初の功績であった「ラン藻ゲノム完全解読」に関するお話のなかでは、357万もの塩基配列を羅列した書物を拝見し、その分厚さに参加者一同感心いたしました。DNAの概要を学んだ後は、食品のDNAを抽出し目で確認するという貴重な体験をさせていただきました。

実験の流れとしては、洗剤(界面活性剤)によって食品の細胞壁からDNAを取り出し、食塩でそれを凝集させ、エタノールを加えることでDNAを析出させるというものでした。2班に別れての研究所内見学では、研究に使用する実験器具、最先端のシーケンサー(塩基配列決定装置)について学びました。最先端のシーケンサーにおいては、11日連続稼動で6000億もの塩基配列解読が可能らしく、その想像し難い莫大な解読数に多くの人が驚かされました。

世界最大級の施設と細胞の中からDNAを取り出すというミクロな世界の両方を体験できた見学会でした。
(渉外部会)