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IFSCC 2019 Conference ミラノ大会(参加旅行団)

  • 日本人参加者の集合写真
  • 自由な議論を誘発させる会場レイアウト
  • 最優秀賞を受賞した髙垣知輝氏
  • IFSCC2020横浜の紹介ブース
【IFSCC 2019 Milan Conference 参加レポート】
ミラノコレクション2019の余韻が街のあちらこちらに残る中、IFSCC2019ミラノConferenceは開催された。総参加人数1103名。
日本からは開催地イタリアの291名に次ぐ、215名が参加した。IFSCC2020横浜Congressが来年日本で開催されることから、日本チームの力の入れようの高さが伺える。

 まずは、本Conferenceで経験した日本人が注意すべき『♪もしかしてだけど、の海外学会あるある』を紹介したい。
1:大会参加受付日時について
前日に予定していた参加受付が急遽大会当日の朝8時に変更された。大会当日であること、口頭演題が10時より開催されることから、参加受付に遅れが生じることで聴講者が集まらない懸念が生じた。心配した発表者が大会事務局に問い合わせると、『大丈夫、安心してくれ』との回答のみ。更に詰め寄ると『万が一参加受付に遅れが生じても俺が聴講するから安心してくれ』と男前な回答を頂くことになった。発表者の困惑度合いは伝わらないようである。実際の受付作業は、事前にメールされたQRコードを示すことで大変スムーズであったため結果的には何も問題なかった訳だが。
2:ポスターの貼付について
SCCJ旅行団に参加したメンバーの災難である。ポスター発表者は前日にポスターを大会事務局に提出し、事務局がまとめてポスターを掲示することになっていた。発表日当日、発表者が会場に到着してみると自分のポスターが掲示されていない。予備のポスターを持っていたので事なきを得たが、まさか、飛行機の乗り継ぎによるポスターの紛失を懸念して持ってきた予備ポスターがこんな時に役に立つなんて。
3:ポスター発表のコアタイム設定について
ポスター発表では、口頭発表のない時間全てがポスターの質疑応答時間になった。そのため、ポスター発表者は1日中ポスター前で質疑応答に備えなければいけなくなり、日本からの発表者の大半はポスター前を離れることはなかった。これに対して、他国の発表者の多くはポスター前で発表者と出会うことはなかった。同じ設定であっても“いつでもいなければいけない”、“いつでも構わない”解釈は難しいところである。色々な議論をするための良い機会なのだが。
4:発表時間の設定について
今回、300報を超えるポスターから20報のポスターについては、5分間の紹介ショートスピーチ(Spoken Poster)の時間が設けられた。5分きっかりで“Thank you!”と発表が途中であってもバッサリ切られていた。無念そうな発表者も多く見受けられた。

 さて、大会の内容に話を移すと口頭発表は資生堂の3年連続の最優秀賞の受賞となった。

・非侵襲的に肌内部の毛細血管をビジュアル化
・加齢による毛細血管の状態と肌の弾力の相関関係
・毛細血管の状態とコラーゲンタイプⅠの発現量と局在化

それぞれが高い新規性を有する知見であるが、これを一つの口頭発表にまとめる贅沢さ。更に、優れたビジュアル表現で報告している姿を見ると、最優秀賞受賞には大きなハードルがあることに気づかされた。
ポスター発表と企業展示スペースが融合し、自由なディスカッションを誘発する学会会場レイアウトは大変秀逸であった。企業展示において特に目を引いた企業は、イタリア発の世界的ODM企業のインターコス。BtoBのモノづくり企業であるが、贅沢な広さの展示スペースに、一切モノを展示せず、優れたビジュアル映像によって企業価値を表現する様は、日本では見ることの出来ない姿であった。
 
 本Conference参加を通じて、改めてイタリア人の“いいかげんさ”を思い知らされた。“良い加減”つまりは強い光と影の部分を共存させて、総論として、大変幸福な時間を過ごすことを可能にさせる。イタリア、不思議だが愛すべき国である。
 
既に、IFSCC2020 横浜Congressの演題募集並びに早割参加登録がスタートしている。IFSCC2020 横浜Congressは、“Made in Japan コスメ”が優れた研究開発力に支えられていることを世界に示す格好の場である。
演題要旨提出締め切りは2020年1月10日。横浜から世界へ発信していきましょう。
SCCJ 広報委員会 副委員長/IFSCC 2020 展示部会 副部会長
前澤 大介(癸巳化成株式会社)


 

2019 IFSCC Johann Wiechers Award
Best Podium Presentation


Awarded to Kazuki Takagaki  from Shiseido, Co. LTD
For the Paper: “Holistic Beauty – 3-dimensional
Macroscopic Visualization Of Vasculature In Skin And Its
Physical Relevance In Skin Aging”

「IFSCC 2019 Milan Conference Award Winners and Top 10 Posters」
詳細はこちらをご覧ください→ https://www.sccj-ifscc.com/uploads/event/event_pdf1/959.pdf