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第253回「学術講演会」のお知らせ
第253回「学術講演会」が2月8日学士会館にて、170名(申込者196名)の聴衆を集めて以下の2題のテーマで開催されました。
1題目は、キユーピー(株)研究所の吉田拓史氏より、『つける、食べるヒアルロン酸の機能、効果』という演題で御講演頂きました。吉田先生はキユーピー(株)に入社されてからヒアルロン酸の研究開発を専門的に取り組んでおられます。ご講演の内容としては、ヒアルロン酸とは、ヒアルロン酸の産業的利用について、化粧用ヒアルロン酸について、食品用ヒアルロン酸についてなど、ヒアルロン酸について多岐にわたり御話しを頂きました。ヒアルロン酸はサメの皮、クジラの軟骨、鶏冠など、様々な動物の組織中から確認されています。また、ヒトの体にも、眼、皮膚、関節、へその緒など、様々な部位にヒアルロン酸が存在していることが確認されています。ヒアルロン酸は、医薬品用途では点眼剤、培養真皮、臓器の癒着防止吸収性バリアなどに利用され、化粧品では保湿剤、感触改良剤などに利用されています。最近では、ヒアルロン酸は食品用途で多く利用されており、ヒアルロン酸を食べることによる肌水分量の改善効果、ヒアルロン酸の吸収、消化などの体内動態について分かりやすく説明を頂きました。また、最新トピックスとして、ヒアルロン酸を食べることにより膝関節炎による痛みが緩和されるなど、非常に興味あるデータを御紹介頂きました。
2題目は、元名古屋大学総長 現(独)大学評価・学位授与機構 機構長の平野眞一氏より、『イノベーション時代のひとづくりを考える 〜真の産学官連携を〜』という演題でご講演頂きました。平野先生は35年以上にわたって東京工業大学や名古屋大学で教鞭を取っておられ、名古屋大学総長時代には同大学関係者からノーベル賞受賞者を多数輩出するなど大変著名な先生であります。今回、ものづくりの原点はひとづくりであり大学でも企業でも人間性(humanity)を大切にする教育がとても重要であるという視点から、先生のこれまでの経験を交えて非常に多岐にわたり含蓄のあるお話を頂きました。「科学技術創造立国」としての発展なくしては国際経済の中での日本の地位低下を打破するのは難しく、とりわけR&Dの基盤である人財力(人材ではなく人財)の向上が必須であるというお考えであり、研究者育成には「志」「学ぶ」「情熱」が必要であるという内容のお話でした。特に大学や企業の研究者に対しては「物事を素直に直視しよう」「常にチャレンジ精神を失うな」というご助言も頂きました。先生が特別教授として赴任されている上海交通大学を例に上げ、中国の科学技術の発展が目覚しく日本としては近い将来強固なパートナーシップを組む必要も力説されておられ、企業の研究者あるいはR&Dの責任者には非常に有意義なご講演でありました。(学術部会A)
1題目は、キユーピー(株)研究所の吉田拓史氏より、『つける、食べるヒアルロン酸の機能、効果』という演題で御講演頂きました。吉田先生はキユーピー(株)に入社されてからヒアルロン酸の研究開発を専門的に取り組んでおられます。ご講演の内容としては、ヒアルロン酸とは、ヒアルロン酸の産業的利用について、化粧用ヒアルロン酸について、食品用ヒアルロン酸についてなど、ヒアルロン酸について多岐にわたり御話しを頂きました。ヒアルロン酸はサメの皮、クジラの軟骨、鶏冠など、様々な動物の組織中から確認されています。また、ヒトの体にも、眼、皮膚、関節、へその緒など、様々な部位にヒアルロン酸が存在していることが確認されています。ヒアルロン酸は、医薬品用途では点眼剤、培養真皮、臓器の癒着防止吸収性バリアなどに利用され、化粧品では保湿剤、感触改良剤などに利用されています。最近では、ヒアルロン酸は食品用途で多く利用されており、ヒアルロン酸を食べることによる肌水分量の改善効果、ヒアルロン酸の吸収、消化などの体内動態について分かりやすく説明を頂きました。また、最新トピックスとして、ヒアルロン酸を食べることにより膝関節炎による痛みが緩和されるなど、非常に興味あるデータを御紹介頂きました。
2題目は、元名古屋大学総長 現(独)大学評価・学位授与機構 機構長の平野眞一氏より、『イノベーション時代のひとづくりを考える 〜真の産学官連携を〜』という演題でご講演頂きました。平野先生は35年以上にわたって東京工業大学や名古屋大学で教鞭を取っておられ、名古屋大学総長時代には同大学関係者からノーベル賞受賞者を多数輩出するなど大変著名な先生であります。今回、ものづくりの原点はひとづくりであり大学でも企業でも人間性(humanity)を大切にする教育がとても重要であるという視点から、先生のこれまでの経験を交えて非常に多岐にわたり含蓄のあるお話を頂きました。「科学技術創造立国」としての発展なくしては国際経済の中での日本の地位低下を打破するのは難しく、とりわけR&Dの基盤である人財力(人材ではなく人財)の向上が必須であるというお考えであり、研究者育成には「志」「学ぶ」「情熱」が必要であるという内容のお話でした。特に大学や企業の研究者に対しては「物事を素直に直視しよう」「常にチャレンジ精神を失うな」というご助言も頂きました。先生が特別教授として赴任されている上海交通大学を例に上げ、中国の科学技術の発展が目覚しく日本としては近い将来強固なパートナーシップを組む必要も力説されておられ、企業の研究者あるいはR&Dの責任者には非常に有意義なご講演でありました。(学術部会A)
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