EVENT イベント

第153回「技術見学会」のご案内

  • 人形の東玉
  • 人形の東玉(人形博物館で説明を受ける)
  • 参加者一堂に会しての昼食
  • 竹中工務店(技術研究所で説明を聞く)
2013年11月12日(火曜日)、東京支部渉外部会企画による第153回技術見学会を開催致しました。今回は、「人形の東玉・人形の博物館」と「竹中工務店・竹中技術研究所」の2施設を見学しました。

当日は、東京地方に木枯らし1号が吹いた翌日の肌寒い一日でしたが、33名にご参加いただき、はじめの目的地である人形の町・岩槻の「人形の東玉・人形の博物館」を訪れました。日光東照宮の造営に携わった宮大工が、宿場町の岩槻に住みつき人形作りをしたことにより、やがて岩槻が人形の町となったのだそうです。東武野田線岩槻駅前のビル4階にある人形の博物館には、古くは江戸時代からの貴重な雛人形が陳列され、日本に古くから伝わる節供(季節の変わり目「節」に供え食べる「供」、季節の食べ物を神様に供えて人々もこれにあずかり季節を楽しむとともに、季節の変わり目に流行する病を払うという習わし)がテーマとなっていました。子供の死亡率が高かった当時、上巳の節供(3月3日)や端午の節供(5月5日)に人形を飾って厄を払い、子供が丈夫に育つよう祈ったのだそうです。その後工房へ移動し、木目込み人形製作手順をご説明いただき、仕上げの様子を見学しました。各作業工程は細分化されており、一体の製作に約2ヶ月かかるそうです。日本の伝統工芸の繊細さに感銘を受けました。

その後、我孫子市内のレストラン「花悠房」にて昼食をとり、千葉ニュータウンの「竹中工務店・竹中技術研究所」へ向かいました。印西市にある65000㎡の敷地には幾何学的でモダンなデザインの建物が配置されており、いかにも時代の最先端の研究がされているという印象を受けました。技術研究所の概要説明の後、業務内容説明DVDが上映されました。地震は避けることができませんが、その被害を避けるための液状化対策技術や免震技術、耐震補強等に関心が集まっていたようです。その後3班に分かれて、各施設を見学しました。防虫実験室では、虫が発生しやすい環境を作り、様々な条件で補虫してデータを集積し分析しています。搬入口に前室を設けることにより虫の侵入を約8割防げるそうですが、開発した吸引補虫装置2台によって前室設置と同程度の効果がある等の説明を興味深く聞きました。壁面で樹木を育てる緑化技術の説明を受け、音響実験室では設計段階で建物完成後の音の響きを再現する実験を体験しました。先端技術展示室では、建築前に建物内部をバーチャル体験できるシステムを見せていただきました。その後、工場再構築の実施事例、地震に強い生産施設への取り組み、防虫エンジニアリングについてのミニセミナーがあり、非常に濃い内容のものとなりました。

次回の技術見学会は春頃を予定しております。皆様方のご参加をお待ちしております。
(渉外部会)