EVENT イベント

第22回「勉強会 ワークショップ」

  • 会場全景
  • 浅賀 良雄先生
  • 島田 邦夫先生
  • パネルディスカション
  • 情報交流会
化粧品に対する安全性の意識・要望は以前より増してさらに一層高まっており、化粧品を微生物汚染から未然に防ぐための対策はますます重要になってきております。その中で、防腐剤の安全性に関して言えばEUではメチルイソチアゾリノン(MIT)を洗い流さない用法の皮膚用化粧品についての動向など俄かに注目を集めつつある中、今回の勉強会では「化粧品の微生物管理と防腐剤」をテーマに勉強会を開催しました。

先ず浅賀先生からは処方検討から製造現場に至るまで化粧品を取り巻く微生物の30課題について詳細な説明をして頂きました。また、島田先生からは微生物学の発展について試験方法やそれに関わってきた人物のつながりなど歴史的なお話とEUにおける防腐剤の動向等についてわかりやすくお話をして頂きました。さらに、両先生と勉強会委員によるパネルディスカッションを行い、参加者が日ごろ疑問に思っているところをさらに理解を深めることができような活発な意見交換が行われました。

講演1「化粧品の防腐設計から製造環境管理・出荷前検査までの諸問題への対策」
演者:浅賀 良雄先生  微生物技術アドバイザー
化粧品に配合する防腐剤量の妥当性の検証、保存効力試験の正しい実施条件と判断基準、配合した防腐剤の挙動と保存中の状態、GMPに基づく一次汚染対策や製造用水管理、出荷前の製品検査の注意点など、多くの課題に対してアドバイスをして頂きました。

講演2「化粧品防腐の未来、そして過去の微生物学者たち」
演者:島田 邦夫先生  東京農業大学客員教授
各地域で防腐剤に関する規制起こる中、これからの微生物試験法、化粧品防腐の考え方についてと、また菌という見えない世界について現在に至るまで微生物学はどのように進化発展していったのかを詳しくお話しして頂きました。

パネルディスカション
微生物技術アドバイザーの浅賀先生と現在も大学で防腐剤の研究を続けられている島田先生の両先生に勉強会委員を加えて計4名でパネルディスカッションを行いました。両先生の講演内容を踏まえて、東南アジア地域向け化粧品の防腐剤選定や保存効力試験結果の活かし方やインバスアウトバスなどの使用場面が異なる商品における防腐設計やチャレンジテストの実施の仕方、パラベン代替えの考え方など活発な議論が行われ、参加者にとって今後の商品開発に大いに役立つ内容であったと思えました。