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第159回技術見学会のご案内

2016年11月22日(火)、東京支部渉外部会主催の第159回技術見学会を開催いたしました。
今回は塗料分野の面白い商品を多数発売している茨城県にある「染めQテクノロジィ」の本社と、
私達の生活している地球の環境状態を、人工衛星から観測するための、埼玉県にあるJAXAの「地球観測センター」を訪ねました。
49名参加者で貸切バス2台に分かれ出発いたしました。

まず、「染めQテクノロジィ」につくと、社長様から会社ご紹介をいただきました。
様々なメディア等でも、一代で会社を大きくした社長様として様々なメディアにも取り上げられている方で、
「化粧品は人に化粧をする。我々(染めQテクノロジィ)は、ものに化粧をします。」という紹介から、個性的なお話をお伺いしました。
その後、3班に分かれて、展示ルーム、染色体験、染めQ商品の展示販売の3箇所を順番に見学しました。
展示ルームでは、製品の効果特徴に関する説明パネルに加え、実物の塗装品も展示していました。
特に、「業務用カビ封じ」スプレーしたお餅でカビが発生していないのには驚かされました。
平成25年9月にスプレーされていたので、3年以上もカビを防いでおり、一目で分かる商品効果でした。
染色体験では、様々な形のシールを布コースターに貼り、上から様々な色のスプレーを塗布することでオリジナルなコースターを作成する体験でした。
色素の粒子がナノサイズであるため、布の表面に均一に塗布できることが特徴で、皆さん様々なスプレーを駆使してカラフルなコースターを作成していました。
上記2箇所を見学後に、実際の商品を社員価格で購入できる商品販売コーナーでは、
防臭スプレー、防カビスプレーなど、効果の高さを実感した商品を中心に、皆さん購入されたようです。

染めQテクノロジィの商品は、化粧品とカテゴリーが異なり、全成分表示義務がないため、詳細な技術は商品成分ラベルからは読み取ることはできません。また模倣技術を恐れ、独自技術は特許出願もされていないそうです。
さらに、研究員以外の社員も独自技術は公開されていないそうです。
高い技術で社会に貢献する商品を数多く作り出す染めQテクノロジィの技術見学は、業種は異なりますが、とても勉強になったのではないかと思います。

続いて「地球観測センター」へとバスで移動しました。

こちらの施設は、JAXA管轄の地球を観測している人口衛星の受信基地です。到着後、係の方から施設の紹介をいただきました。
埼玉県比企郡にある施設ですが、高地、すり鉢状で電波を受信しやすい、地盤がいい、都心に近いなどの理由で、1978年にこの地に作られたそうです。
説明後、2つのグループに分かれ、受信塔の見学と地球観測展示室での自由見学とに分かれました。
まず、受信塔の見学ですが、敷地内では、直径11mのアンテナ、13mのアンテナの2機が稼動しており、
水循環の変動を観測する「しずく」、温室効果ガスを観測する「いぶき」、降水観測する「GPM/DPR」、陸域を観測する「だいち2号」等の観測データを受信しています。なお、世界単位では、人工衛星はこれまでになんと、7000個も打ち上げられ、現在3500個が稼働しているとのことです。
 
続いて、受信したデータの活用例をご紹介いただきました。昨今の異常気象(洪水予測、ゲリラ豪雨)や温暖化の変化、災害時の被災状況把握等、
同じデータを蓄積しているからこそ実施できる様々な活用例がありました。
例えば、国内外で地震・洪水などの大規模な自然災害が発生した際、日本においては12時間以内、アジア地域では概ね24時間以内に被災地の画像を取得し、被害状況の把握に役立て、データ提供をするそうです。また地震や火山活動による地殻変動についてはcm単位の精度で予測・監視に貢献しているとのことです。同じデータを取得し続けるという地味な面もありますが、定点観測から導きだすことができる情報の活用方法を目の当たりにし、我々の生活を支える技術・施設であることを実感しました。また、地球観測展示室では自由見学で、見学者それぞれ、興味深く展示物を見たり、モニターで映像説明を聞いたりして過ごしました。
 
無事に、2か所の見学を終え、時間をオーバーしつつ、東京へと帰路に着きました。来年も技術見学会でのご参加お待ちしております。
(渉外担当)