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第31回勉強会 ワークショップのご案内

2019年2月19日、大阪国際交流センター さくら東の間に於いて第31回勉強会が開催されました。今回は『化粧品の安全性をどのように保証するか』をテーマに、 4題の講演と演者の質問ブースを設けた情報交流会を行いました。

化粧品開発において化粧品最終製剤の安全性を保証することは最重要課題です。しかしながら、EUの動物実験の禁止と、日本の医薬部外品申請に要求される安全性データのはざまで、どのような試験を実施して安全性を保証すべきか。このことは化粧品技術者にとってはいつも悩ましい問題となっております。このような背景から今回のテーマ選択に至りました。

SCSコンサルティングの佐々齊先生には、「実践的な化粧品の安全性保証を考える」というタイトルで、安全性試験の歴史的な流れ背景と、基本・原則の紹介から応用・実践まで講義いただきました。さらに、化粧品の出荷量が増えていることは望ましいが、これは消費者に対する暴露量も増えていることを意味し、安全性をしっかりやる必要があるという考え方をいただきました。

株式会社ニコダームリサーチの京谷大毅先生には、「化粧品・化粧品原料の安全性評価の実際 ~動物代替法を中心に~」というタイトルで、動物実験代替法の開発動向から、実施可能な動物実験代替法による安全性試験として、皮膚一次刺激性試験、皮膚感作性試験、光毒性試験、目刺激試験の実験から判定までの基礎を講義いただきました。

DRC株式会社の本多達也先生には、「新規化粧品原料の安全性評価の実際」というタイトルで、安全性評価のおけるヒト試験の位置づけとして、ヒト試験の法規制と倫理委員会についての紹介と、新規原料を製剤に配合する際の安全性試験の流れと、有効性評価の紹介をいただきました。


日本産業皮膚衛生協会、河合産業皮膚医学研究所の五十嵐亮介先生には、「ヒト皮膚一次刺激性試験 ~閉塞法および河合法皮膚貼付試験~」というタイトルで、パッチテストの紅斑判定が非常に難しいこと、また閉塞試験と河合法(半閉塞試験)のメリットとデメリットを製剤の視点から比較していただきました。

情報交流会では、演者4名による質問ブースを設け、ブースでは質問や意見を求める受講生の列ができ、安全性に対する感心の高さを物語っていました。次回の勉強会にもご期待いただきたいと思います。