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第209回講演会(西日本支部)
第209回講演会を2019年2月7日(木)、大阪国際交流センター・小ホールにおいて、開催いたしました。
1題目は、京都女子大学 現代社会学部 教授 西尾久美子先生より、『京都花街から学ぶプロフェッショナル人材の育成』と題して、京都花街の「舞妓さん」育成について、OJTとキャリア形成の視点からお話していただきました。
西尾先生が京都花街を訪問される際は、場に溶け込むようにお着物を召されるとのことで、当日も素敵なお着物でご講演いただきました。
最初に京都花街や舞妓さんの裏側について貴重な動画を用いてご説明いただきました。京都には5つの花街があり、約250名の芸舞妓さんが所属しています。舞妓さんの人数は1975年に底辺となりましたが、その後回復し、現在では舞妓さんに憧れて技能を学びたいと全国から希望者が集まるそうです。
芸舞妓さんのキャリア・パスは以下の通りです。
・仕込み:約1年間の研修期間(中学卒業後)
・見習い:デビュー前約1ヶ月間の実地研修
・見世だし:舞妓としてデビューする日
・舞妓になって約1年間(新人期間)
・舞妓になって2,3年目(中堅舞妓)
・舞妓になって4,5年目(20歳ごろ):「衿替え」して芸妓に、後輩の育成
1年目の舞妓さんはお母さん(お茶屋、置屋)、お姉さんからきめ細かいチェックを受けます。興味深いことに、新人であることが一目で分かるように、下唇にのみ紅をさし、長く垂れ下がったかんざしをつけるとのことでした。
『杯の姉』と呼ばれる教育担当のお姉さんからはマンツーマンで指導、アドバイスを受けます。この「育ち・育て合う」システムにより、強固な組織が築かれます。その上、京都花街の芸舞妓さんの技能レベル、売り上げの評価情報は業界内で共有されるため、各人のさらなるステップアップに繋がっているとのことでした。
京都花街の人材育成プロセスから学ぶことは多く、フォロー体制やフィードバックの方法など新入社員教育に役立てていきたいと感じました。
2題目は、化粧品法規制コンサルタントの中村淳先生(元㈱資生堂・執行役員)より『最近の海外化粧品規制動向』と題して、日本が化粧品を輸出入している主な国と地域の化粧品規制について、今後の輸出入における注意点をご説明いただきました。
下記に各国の状況について示します。
*台湾
◆2019年11月 「化粧品衛生安全管理法」施行に向けて、現時点では枠組みが公表
・台湾も欧州連合(EU)同様、製品情報ファイルの提出が必要
・オンラインで製品登録が可能
・副作用報告や商品回収の取り決められ、輸出時の販売者の責任をより明確化
◆2019年1月 効能表現例案が公表
・漢字の意味合いが日本とは違い、注意が必要
・包装への記載・表示事項も詳細に規定
・施行後には猶予期間が設けられる予定
*韓国
◆2018年3月 化粧品法改正
・自然化粧品とカスタム化粧品が新たに追加され、カスタム化粧品販売業が定義
・オーガニック化粧品が明確に定義され韓国食品医薬品安全省の認証マークを取得可能
・管理者資格要件の範囲の拡大や、脱毛の成分追加など、規制緩和
◆安全性が問題視されている香料の成分の一部を規制する動き
◆包装への記載・表示事項が改正され、2020年1月1日施行日から1年の猶予期間あり
*中国
◆2018年 国家市場監督管理局(SAMR)と国家薬品監督管理局(NMPA、旧CFDA)が創設
・新しい化粧品申請制度が発表
◆2018年11月 発表・施行された制度改正により、中国の輸入化粧品製造企業は、非特殊化粧品
(普通化粧品)のオンライン登録申請が可能
・特殊化粧品の新分類が行われ、新効能化粧品が定義
・広告表現の取り締まりが厳しくなり、日本の医薬部外品を輸出する際は注意が必要
2019年1月の電子商務法の施行により、個人・法人問わず、代理購入業者は中国国内で登録と納税義務が定められ、海外で商品を購入し中国の自国消費者向けに販売するソーシャルバイヤーの代購市場は、大きな打撃を受ける可能性あります。なお越境ECとの兼ね合いについては不明確な面もあるそうです。
その他、英国のEU離脱問題も今後注意が必要とのことでした。離脱が起きた場合には、英国の規制変化への対応だけでなく、英国に責任者を配置している企業は、他のEU加盟国で責任者を確保する必要があると説明されていました。
化粧品規制の世界全体の動きを知ると、成分表示やオンライン登録制度など、マクロには各国の制度が近似化されていることが分かりました。諸外国の規制内容は年々変化がありますが、いずれにしても高品質で信頼される化粧品を提供することが大切とのお話でした。
1題目は、京都女子大学 現代社会学部 教授 西尾久美子先生より、『京都花街から学ぶプロフェッショナル人材の育成』と題して、京都花街の「舞妓さん」育成について、OJTとキャリア形成の視点からお話していただきました。
西尾先生が京都花街を訪問される際は、場に溶け込むようにお着物を召されるとのことで、当日も素敵なお着物でご講演いただきました。
最初に京都花街や舞妓さんの裏側について貴重な動画を用いてご説明いただきました。京都には5つの花街があり、約250名の芸舞妓さんが所属しています。舞妓さんの人数は1975年に底辺となりましたが、その後回復し、現在では舞妓さんに憧れて技能を学びたいと全国から希望者が集まるそうです。
芸舞妓さんのキャリア・パスは以下の通りです。
・仕込み:約1年間の研修期間(中学卒業後)
・見習い:デビュー前約1ヶ月間の実地研修
・見世だし:舞妓としてデビューする日
・舞妓になって約1年間(新人期間)
・舞妓になって2,3年目(中堅舞妓)
・舞妓になって4,5年目(20歳ごろ):「衿替え」して芸妓に、後輩の育成
1年目の舞妓さんはお母さん(お茶屋、置屋)、お姉さんからきめ細かいチェックを受けます。興味深いことに、新人であることが一目で分かるように、下唇にのみ紅をさし、長く垂れ下がったかんざしをつけるとのことでした。
『杯の姉』と呼ばれる教育担当のお姉さんからはマンツーマンで指導、アドバイスを受けます。この「育ち・育て合う」システムにより、強固な組織が築かれます。その上、京都花街の芸舞妓さんの技能レベル、売り上げの評価情報は業界内で共有されるため、各人のさらなるステップアップに繋がっているとのことでした。
京都花街の人材育成プロセスから学ぶことは多く、フォロー体制やフィードバックの方法など新入社員教育に役立てていきたいと感じました。
2題目は、化粧品法規制コンサルタントの中村淳先生(元㈱資生堂・執行役員)より『最近の海外化粧品規制動向』と題して、日本が化粧品を輸出入している主な国と地域の化粧品規制について、今後の輸出入における注意点をご説明いただきました。
下記に各国の状況について示します。
*台湾
◆2019年11月 「化粧品衛生安全管理法」施行に向けて、現時点では枠組みが公表
・台湾も欧州連合(EU)同様、製品情報ファイルの提出が必要
・オンラインで製品登録が可能
・副作用報告や商品回収の取り決められ、輸出時の販売者の責任をより明確化
◆2019年1月 効能表現例案が公表
・漢字の意味合いが日本とは違い、注意が必要
・包装への記載・表示事項も詳細に規定
・施行後には猶予期間が設けられる予定
*韓国
◆2018年3月 化粧品法改正
・自然化粧品とカスタム化粧品が新たに追加され、カスタム化粧品販売業が定義
・オーガニック化粧品が明確に定義され韓国食品医薬品安全省の認証マークを取得可能
・管理者資格要件の範囲の拡大や、脱毛の成分追加など、規制緩和
◆安全性が問題視されている香料の成分の一部を規制する動き
◆包装への記載・表示事項が改正され、2020年1月1日施行日から1年の猶予期間あり
*中国
◆2018年 国家市場監督管理局(SAMR)と国家薬品監督管理局(NMPA、旧CFDA)が創設
・新しい化粧品申請制度が発表
◆2018年11月 発表・施行された制度改正により、中国の輸入化粧品製造企業は、非特殊化粧品
(普通化粧品)のオンライン登録申請が可能
・特殊化粧品の新分類が行われ、新効能化粧品が定義
・広告表現の取り締まりが厳しくなり、日本の医薬部外品を輸出する際は注意が必要
2019年1月の電子商務法の施行により、個人・法人問わず、代理購入業者は中国国内で登録と納税義務が定められ、海外で商品を購入し中国の自国消費者向けに販売するソーシャルバイヤーの代購市場は、大きな打撃を受ける可能性あります。なお越境ECとの兼ね合いについては不明確な面もあるそうです。
その他、英国のEU離脱問題も今後注意が必要とのことでした。離脱が起きた場合には、英国の規制変化への対応だけでなく、英国に責任者を配置している企業は、他のEU加盟国で責任者を確保する必要があると説明されていました。
化粧品規制の世界全体の動きを知ると、成分表示やオンライン登録制度など、マクロには各国の制度が近似化されていることが分かりました。諸外国の規制内容は年々変化がありますが、いずれにしても高品質で信頼される化粧品を提供することが大切とのお話でした。
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