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遅延型アレルギー反応 [delayed allergic reaction]
アレルギー反応の四つに分類される型のうち、IV型アレルギーのことをいう.遅延型過敏症ともよばれる.この反応はほかのI〜III型とは違って抗体は関与せず、T細胞が抗原と反応して起こるものである.抗原が体内に侵入すると、T細胞は抗原提示細胞(皮膚におけるランゲルハンス細胞、肺における肺胞マクロファージなど)から抗原の情報を受け取り、抗原が次に侵入したときの準備をする.この状態を“感作が成立した”という.ここに再度抗原が侵入すると、T細胞はサイトカインというホルモン様物質を放出し、リンパ球や好中球、マクロファージなどを集めて抗原を攻撃し、侵入してきた抗原が細胞の場合には、細胞障害性リンパ球(キラーT細胞)で攻撃する.これにより、抗原だけでなく反応の場である組織まで破壊され炎症が起こるのである.この反応は現れるまでに普通24〜48時間くらいかかるため、遅延型アレルギー反応とよばれる.ツベルクリン反応や漆かぶれ、外用薬あるいは化粧品や化学物質などの接触皮膚炎がこれにあたる.(→アレルギー性接触皮膚炎)(鈴木惠子)