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特殊容器 [special container]
各容器形態に入らない特殊な形態のもので筆式容器や2液混合容器などをさすが、特殊容器の明確な定義はない．
（1）筆式容器
内容物により大きく3種類の方式がある．低粘度の内容物用は、液状アイライナー用ペンシル状容器などに使用されている．容器の基本原理は万年筆容器と同様で、低粘度に調整した内容物を浸透圧を利用して、先端に設けた塗布具に含ませるようにした容器である．塗布具としては樹脂繊維製の筆やポリウレタン製多孔質素材のチップが使用される．先端により多くの内容物を含ませる方法として、後部をノックすることで強制的に加圧する方式もある（図）．おもに中粘度のクリーム状内容物を吐出させる方式は、液状やクリーム状の口紅やファンデーションなど向きで、構成としては先端に塗布具として筆を取りつけ、筆の後部に内容物を収納する容器本体があり、この本体に内容物を押し出す機構を内蔵している．通常は、後部のノックボタンや回転ボタンなどでピストンを前進させて強制的に吐出する．また、ネイルエナメル用の塗布容器がある．これは筆記具のマーカーペンの原理と同じで、金属製の本体容器の口元に弁体とファイバーの集合体であるチップをつけ、このチップを押して弁を開放することで低粘度の内容物を浸透させるという構造である．内部にはかくはん用の金属ボールを入れることが多い．
（2）2液混合容器
液体と液体や、液体と粉末などの2種の内容物を簡便に混合できるようにした容器である．混合する方式は種々あるが、基本は別々の収納室に充填した内容物の隔壁を外すなどである．その混合方式と材質は、収納する内容物の種類や混合量、使用性などから選択する．この種の容器は2液式ヘアカラーや美容液などに使われている．（鳥居晶仁）