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ウェバー-フェヒナーの法則 [Weber-Fechner's law]

人間の感覚強度と感覚対象の刺激量の関係を表したもので、感覚強度は刺激量の対数関係にあるというもの.感覚強度(匂いの強さ)をY、刺激量(匂い物質の量)をXとすると図中の式になり、匂いの強さと匂いのもとになる物質量の関係を表す.横軸に物質量、縦軸に匂いの強さをとると、途中からグラフはプラトー(横ばい)になり物質量を増やしていっても匂いの強さはある限度以上にはいかないということがわかる.これは匂い物質の量が極端に増えても、嗅覚にダメージを与えないという嗅覚を保護する意味で、嗅覚の自然に備わった生理現象をうかがい知ることができる.逆に、匂い物質の量をかなり減らしても匂いの強さはあまり変わらないともいえる.物が腐っていることを知らせる嫌な匂いは、物質が微量になってもシグナルを出すということで、生命維持のための自然のメカニズムであるといえる.しかしながら、消臭の観点からすると(悪臭物質を除去していくことで考えると)、九十数%悪臭物質を除去しても、匂いの強さは半分くらいにしかならないことを意味する.消臭の難しさがはっきりと理解できる.なお、この公式は、匂いを音に置き換えれば、聴覚についても表すことができる.(浅越亨)

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