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ブラウン運動 [Brownian motion]
水で希釈した牛乳などのコロイド分散系の粒子が絶えず不規則に動いているようすのこと．1827年に英国の植物学者 Brownが、水中に分散させた花粉の動きを顕微鏡で観察したさいに発見した．ブラウン運動の原因は、媒質である液体分子の不規則な衝突によるものである．気体や液体の分子は絶え間なく不規則な運動をしており、媒質中の粒子に衝突するが、粒子が大きいときには各方向から受ける多数の衝突の影響は互いに打ち消され、その結果粒子は動かない．しかし粒子が小さいときは、そのときどきの衝突により粒子が揺動（ようどう）し不規則な動きをする．ブラウン運動は媒質分子の不規則な運動により生じ、温度の上昇により激しくなる性質を示すため、粒子の熱運動であるといえる．粒子の熱運動のエネルギーは1個粒子についてはkT、1 molについてはRT（kはボルツマン定数、Tは温度、Rは気体定数）と表すことができる．1個粒子の質量をmとし、粒子の移動速度をvとするとkT＝1/2 mv2となるから、一定温度では粒子が大きくなると、質量mが増し、vは小さくなる．アインシュタインの統計計算によると粒子がブラウン運動により、t時間にある方向へ移動する平均の距離xは、