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ライフサイクルアセスメント [life cycle assessment]

LCAともいう.製品やサービスが環境に与える影響を、原料採取、生産、流通、消費、廃棄に至るまでの各段階における資源・エネルギーの消費と環境負荷を定量的に分析のうえ、総合的に評価し、環境負荷の低減および環境改善をはかる手法のこと.ある製品のライフサイクル全体を考えた場合、その各段階において枯渇性資源(化石燃料、鉱物資源など)、更新性資源(森林資源、水資源など)、再生資源(使用済みの鉱物資源や森林資源などを再生した資源)の各種資源を投入し、大気汚染物質、水質汚濁物質、固形廃棄物などを環境中に排出し、環境に対して負荷をかけている.これまでの環境負荷評価は、製品の使用や廃棄に伴い特定の物質を排出していないか(特定の物質を使用していないか)、製品の廃棄に伴いリサイクルしやすいか、廃棄物として処理しやすいか、再生資源など環境への負荷の低減に寄与する原材料を使用しているかなど、おもにライフサイクルのある段階の、ある環境への負荷を評価対象に限定してきた.しかし、使用、廃棄の各段階での環境への負荷が少ない製品であっても、原料採取、製造、流通の各段階での環境への負荷が大きければ、全体として環境への負荷の低減に貢献しない可能性がある.また、従来の環境負荷評価の中には、ライフサイクル全般についての環境負荷を評価するという観点が希薄なものがあり、本当に環境保全に寄与するかどうか疑わしいものが環境保全型製品として評価されるケースもあった(廃棄段階でごみにならない製品であるが、その製造には大きなエネルギーを要する製品など).さらに、リサイクルなどを通じて製品を循環的に利用するさいにも、それにより減少する環境負荷(廃棄物量の減少、再生資源を用いることにより減少するエネルギー・汚染物質量など)と増加する環境負荷(輸送・分別などに要する新たなエネルギー投入量、洗浄などによる水質汚濁物質の増加量など)を比較して、循環利用の可否を判断することが必要であるが、このためにもLCA手法は有効である.国際標準化機構(ISO)においては、LCAの国際標準規格がISO14000シリーズの中で制定されており、この概念が生まれた背景には、20世紀後半に入り、地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊などの多くの環境問題が発生したことがある.(植原計一、佐藤達夫)

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