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鉛白(えんぱく) [white lead]

塩基性炭酸鉛のこと.ハフニ、御所白粉(おしろい)ともいわれた.ギリシャのテオフラストス(BC 372〜288年)が鉛板を酢に浸してつくったのが鉛白の最初といわれ、BC 4世紀にすでに使われていたと思われる.鉛白は奈良時代に、水銀白粉(→伊勢白粉)とともに中国から伝えられたとされ、持統天皇6年(692年)に僧観成によって初めてつくられたと“日本書紀”にある.慶長(1596〜1615年)のころから、堺の銭屋、小西らによって本格的に製造され始めると、価格、機能の面で一般に普及した.江戸時代の白粉といえば、鉛白、すなわち鉛白粉(なまりおしろい)をさし、以後、明治時代に鉛中毒(鉛毒)による被害が社会問題化するまで、白粉の主流を占めていた.(村田孝子)

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