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オーバードーズ [overdose]

調香法の一つ.最近は、調合香料をつくるさいに、細かなバランスの調和をとるより少ない成分で大胆にバランスをとる傾向がある.従来の経験では少量使用が常識のところを多量に使用していくことから、文字どおり“使いすぎ”という意味であるが、結果としていままでにないすばらしい作品が数多くつくられている.たとえば、通常は50〜70品目ブレンドするのに対し、女流調香師ソフィア・グロスマンの香りの創作は、基本的に7品目でつくられるそうである(足らないときは7の倍数でつくる).7品目で完成すれば、それぞれの成分は必然的にオーバードーズされていることになる.
合成香料主体になってからの最近の調香法であるが、この方法から生まれる調合香料は、骨格がしっかりした、香り立ちも強く、残香性も強い香りで、新規性の高い個性的な香りが生まれる.フローラル、ジャスミン様のジヒドロジャスモン酸メチル、ウッディー、アンバー様のイソイースーパー®、フローラル、スイート、メロン、スイカ様のヘリオナール®、マリングリーン様のキャロン®、フローラル、ローズ様のダマスコン類、フレッシュシトラス、フレッシュフローラル様のジヒドロミルセノールはオーバードーズの一例である.(浅越亨)

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