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オポポナックスレジノイド [opoponax resinoid]
フウロソウ目カンラン科のCommiphora erythrea var.glabreseensからとれる樹脂や浸出物を有機溶剤で抽出して得られるレジノイド.おもな産地は、アフリカの北東部にあるソマリア、スーダン、エチオピアなど、紅海沿岸地域である.オポポナックスは、樹皮の中にたまった粘性の高い樹液が傷の部分からしみ出たものが乾燥して固まったもので、暗褐色や褐色の球状もしくは涙型をしている.ゴムと同様に木に切り込みを入れることで収率を上げている.集められた樹脂は石油エーテルなどの有機溶剤で抽出し、木くずなど有機溶媒に溶けない不純物を取り除いてオポポナックスレジノイドを得る.香気は、植物樹脂的な甘さの中にややスパイシーなトーンがあり、ミルレジノイドと似た特徴をもっている.なお、ほかの樹脂類と同様に昔から宗教儀式などに用いられ珍重されていた香料で、東洋や中東では樹脂をそのまま粉砕して線香や抹香に混ぜ込んで使用している.調合香料においては保留剤として用いられることが多い.(木内さおり)