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紙・薄紙 [paper]

現在、包装容器として使用されている材料は、プラスチック、金属、ガラス、セラミックス、そして紙・板紙など多種多様であるが、このうちもっとも量の多いのが紙・板紙容器(約45%)である.紙容器の始まりは、明治20年代、輸入板紙でつくられたタバコの箱といわれる.なお、紙・板紙容器の中での製品内訳を見てみると、半分強を段ボールが占めており、次いで紙器箱、包装紙・包み紙の順となっている.紙容器の基本材料となるのが板紙であり、用途・目的によってアルミニウムやプラスチックなどとの複合材料も使われる.板紙の原料としては、化学パルプ、グラインダー(砕木)パルプ、古紙、わら、くず紙などが使用されており、強度や印刷適性の向上という目的から、多層構造になっている.板紙は主原料の違いにより、①白板紙(パルプ、古紙)、②黄板紙(わら、古紙)、③チップボール(古紙)、④色板紙(古紙)、4種に大別される.このうち、もっとも一般的なのが白板紙で、中層・裏層にパルプまたは古紙を使ったマニラボールと古紙のみでつくられた白ボールに分けられる.表層はどちらもさらしパルプが使われており、また、印刷適性や白色度をさらに向上させるため、白色顔料と接着剤の混合物を表面にコーティングしたものもある.マニラボールは柔軟でかつ強度があり、外観もよいことから、印刷適性、製函性の点でもっとも優れており、厚手の印刷物や小型印刷箱(化粧品、石けんなどの箱)に使われている.一方、白ボールはマニラボールに比べやや厚手で、一般に食料品、洗剤などの箱に使用されている.なお、薄紙については、包装紙・包み紙をはじめとして化粧品容器のラベル、説明書などに利用されており、グラシン紙、純白ロールなどがある.グラシン紙は半透明な薄手の紙で、ワックス(ろう)処理、ラミネート加工などによりガスバリヤー、耐油性を付与している.純白ロールは片面がつやのある紙で、比較的白色度が高い.(佐藤達夫)

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