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ガラス [glass]

ガラスはその素材の特徴である透明感・重量感から高級なイメージがある.また、ほとんどの物質に安定で変化することがなく、バリアー性が高いため内容物を安定に保つことができ、比較的安価である.そのため乳液や化粧水、クリーム、香水などの容器として広く用いられている.しかしその反面、重く、また衝撃に弱く割れると危険なため携帯用製品や浴室用製品などにはあまり用いられていない.ガラスはケイ酸とほかの酸化物が高温下で溶けて冷え固まったもので、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化鉛などの酸化物の種類によりソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、カリ鉛ガラスなどとよばれ、透明度や光の屈折率などで種々の特性を有する.一般に多く使用されているものはソーダ石灰ガラスで、ケイ砂、石灰石、ソーダ灰に酸化マグネシウム、アルミナを加えて1,400〜1,600℃で溶融してつくる.香水瓶のような高級化粧品には透明度が高くまた光の屈折率の高い美しいクリスタルガラスが使われることがある.通常、酸化鉛を加えてガラスの比重を上げ屈折率を高めることにより得られるが、透明性に関しては原料の純度も重要な要素である.一般に酸化鉛が30%以上のものをフルレッドクリスタル、24%以上のものをレッドクリスタル、10%以上のものをクリスタル、酸化鉛数%のものや酸化鉛以外の酸化金属10%程度のものをセミクリスタルとよんでいるが、厳密な定義はない.また、化粧品のガラス瓶には着色されたものも使われている.着色ガラスは微量の金属塩、金属酸化物を加えることによりつくることができる.たとえば、紅は金(コロイド)、赤は銅(コロイド)、青は銅またはコバルト、黄は銀、緑はクロム、赤紫はマンガンなど.乳白色のガラスはフッ化物を添加することにより得られる.なお、着色された瓶の中には製造段階では着色をせず透明瓶を製瓶した後、塗装を行っているものもある.すりガラス瓶は通常に製瓶をしたのちフッ化水素酸に浸し、ガラスの表面を腐食させることにより得られる.(佐藤達夫)

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