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鶏卵を用いる試験 [chorioallantoic membrane assay]
動物代替試験法の一つで、鶏の卵(受精卵)の漿尿膜(CAM)という部分を使用した、眼刺激性を評価する試験.CAM(カム)試験ともいう.漿尿膜は鶏卵の呼吸器官として働いており、血管系をもった完全な組織であるため、化学物質などを投与した場合、培養細胞などを用いた代替試験とは異なった反応性を示し、動物の眼に化学物質を投与したときに近い反応が観察されるといわれている.また水溶性、脂溶性を問わず、幅広い範囲の化学物質に適用できるという長所がある.試験方法は、被験物質を漿尿膜に適用して一定時間後に洗浄してから、肉眼で充血、出血、凝固などの変化を観察し、採点して判定・評価する肉眼観察法と、同じく被験物質を適用・洗浄後、障害を受けた細胞や死細胞を染色することができるトリパンブルーという色素を用いて漿尿膜を染色し、分光光度計でその色素の吸着量を測定して漿尿膜の障害の程度を検出するトリパンブルー染色法がある.これら二つの方法を組み合わせることで、より精度の高い判定ができる.(鈴木惠子)