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化粧品 [cosmetic]
香粧品ともいう.医薬品が疾病を予防し治療するものであるのに対して、化粧品は人を美化し、皮膚を健やかにする働きをもつもの.薬事法第2条第3項において、“化粧品とは人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なものをいう”と定義されており、とくに安全性が重要視されている.cosmeticsの語源はギリシャ語のkosmetikos(=飾ることに熟練した)であり、これはkosmos(=秩序)から派生したものだが、ウェブスター辞典によると、化粧とは“コスモス”の反対の意味である“カオス(chaos:混沌、みだれた)”の状態を、コスモスの状態にするものと定義されている.kosmosは英語のcosmos(=宇宙)の語源でもある.この薬事法にのっとり製造、販売されている化粧品として代表的なものとしては、スキンケア化粧品、メークアップ化粧品、ボディケア化粧品、ヘアケア化粧品、フレグランス化粧品があげられる.最近、よく用いられる自然化粧品や天然化粧品などの表現があるが、これらはあたかも肌に対してやさしく、かつ安全なものであるような印象を与えるが、法的に根拠があるものではないので注意する必要がある.1999年度に日本化粧品工業連合会が作成した“コスメチックQ & A事典”の中でも、“自然化粧品の方が肌に安全なのですか”という問いがあり、それに対する答えとして、“ナチュラル志向の高まりとともに、自然・天然をイメージした化粧品が多く販売されるようになりました.しかし、アロエ水やヘチマ水なども、全くの天然のままでは短期間に腐敗してしまい、化粧品として成り立ちません.実際には100%自然・天然素材のみで製造されている化粧品はないと考えてよいでしょう”と記載されている.