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更年期 [climacteric]
一般に婦人の生殖期（性成熟期）から非生殖期（老年期）への移行期と定義され、卵巣機能が衰退しはじめ消失する時期にあたる．卵巣機能が消失すると閉経が起こるが、40歳以後で1年間無月経がつづけば閉経と判定する．閉経する年齢は早い人で40歳、以後年齢が増加するに伴い閉経者の割合は急速に増加し、60歳までにはほぼ全員が閉経する．したがって閉経の前後数年間にあたる更年期の開始は早い場合は30歳代後半で始まり、終了は遅い場合50歳代後半となる．この期間、開始および終了年齢には非常に大きい個人差がある．ホルモン環境にも個体差はあるが、たいていの女性は40歳代になると卵巣機能が低下傾向を示す．そのため各ホルモン値もエストラジオールや黄体ホルモン（プロゲステロン）の卵巣ホルモンは低下しはじめ、その影響で黄体化ホルモン（LH）、卵胞刺激ホルモン（FSH）の下垂体性ゴナドトロピンの分泌が上昇しはじめる．その結果、無排卵性月経や月経不順をきたしやすくなり、やがて閉経を迎えるというわけである．（松永由紀子）