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コメド形成能試験 [comedogenicity test]
コメドはにきびができる第一段階の状態で、これに炎症が加わるとにきびになる.したがって、コメドの形成をおさえればにきびを防ぐことにつながるわけで、このコメド形成の誘発について調べるために用いられる試験がコメド形成能試験である.コメドは、性ホルモンの分泌増加によって皮脂腺が発達し、皮脂の排泄が亢進することによる.そして排泄された皮脂が、なんらかの影響で皮膚から外に出にくい状態になるとコメドの形成へとつながっていく.コメド形成能を評価する場合、皮脂腺の存在が重要となるため、これが多く分布しているウサギの外耳道を用いることがある.この場合は、試験サンプルを数回塗布した後、組織学的な検査を行ってスコアをとり評価する.一方、ヒトの場合には皮脂腺の多い背中を使う.同じくサンプルを塗布した後、シアノアクリレートという接着のりで背中の毛包内部を採取し、スライドグラスに付着させて観察し評価・判定する.多くの化合物は100%濃度ではコメド形成能をもっているが、濃度を下げていけばやがて消失する.しかし化粧品は、多くの化合物が混合されたものなので、配合される成分それぞれについては低濃度でコメド形成能が低くても、それらが混合されて最終的に製品となった場合、相互作用によってコメド形成能をもつようになることも考えられる.こうした点から、化粧品の場合は個々の原料の評価に加え、最終的な製品での試験が実施されている.(鈴木惠子)