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再資源化 [recycling]

ごみの中から利用できるものを分別収集や選別により取り出し、再利用(リユース)することをいう.その概念は広く、どこまでが再資源化であるといった区切りや定義などはとくにない.言葉としては同義にあたるリサイクルが一般的で、もともと利用できるものを再利用するという意味から、今ではごみの減量をも含めた広い意味をもつに至っている.
再資源化方法
通常、再資源化といえば資源として分けられたごみが、同じ製品あるいは別の新たな製品の原材料として再生利用されるマテリアルリサイクルをさす場合が多い.スチール缶を鉄製品にする、古紙を再生紙にする、ペットボトルを繊維製品にする、ガラス製品をふたたびガラス製品にするなどは、すべてマテリアルリサイクルにあたる.なお、もとのものを同じ製品の原材料に戻すことをクローズドリサイクル、あるいは水平リサイクルといい、別の新たな製品の原材料にする場合はオープンリサイクル、またはカスケードリサイクルという.たとえば、ガラス瓶のカレットを再びガラス瓶にすることはクローズドリサイクルである.また、使用済みのアルミニウム缶のアルミニウムをふたたびアルミニウム缶に戻せばクローズドリサイクルであるが、ほかのアルミニウム製品に利用するとなればこれはオープンリサイクルとなる.一方、複数の種類が混合している廃プラスチックをベンチや杭(くい)などにすれば、マテリアルリサイクルにあたるが、固形燃料(RDF)にすれば、これはサーマルリサイクルとなる.サーマルとは熱のことをさし、燃焼したときに発生する熱エネルギーを利用するリサイクルのことで、この方法も再資源化にあたる.このほか、プラスチックには、熱や触媒などを用いた科学的手法によりプラスチックを分解して、さまざまな化学原料に戻したり、油化、気化して利用するケミカルリサイクルがある.
化粧品容器包装の再資源化例
このようにさまざまに分類されるリサイクルだが、化粧品の容器包装はそのほとんどがマテリアルリサイクルに該当し、再生ガラスの化粧瓶や再生アルミニウムの口紅容器などが例にあげられる.また、もっとも多く使用されているのは再生紙で、容器を保護する個装箱や能書(説明書)などに用いられている.これは紙材料の再資源化が、新聞紙や段ボールなどにおいて古くから積極的に行われてきたためである.このように積極的な再資源化の取り組みがなされているが、再資源を利用したリサイクル製品には、バージン資源から製造したものと比べて、素材の材質が劣る場合が多いという問題点がある.再資源そのものに不純物が混入することや、古紙の場合であればバージンパルプよりも繊維が短いために耐久性や強靱性に劣るといったことである.このような状況の中、今後さらに再資源化によるリサイクル製品への品質向上の期待が高まる一方で、社会と企業、そして消費者が一体となってリサイクル活動に取り組んでいくことが必要不可欠である.(奥野泰敏、松野高明)

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