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アルギン酸 [alginic acid]
アラメ、カジキ、コンブなどの褐藻類を希アルカリ溶液で処理した粘稠な溶液を過し、酸を加えたとき生じる弾力性のある酸性物質のこと.alga(藻類)にちなんでアルギン酸と名づけられた.マンノウロン酸のβ-1、4結合からなる直鎖分子で、褐藻類の細胞膜を形成する構造多糖類であり、生体内ではカルシウム、マグネシウム塩となって存在している.含有量は海藻の種類や育成度によって異なるが、14〜34%である.アルギン酸は親水性高分子電解質で、水には溶けやすいが有機溶媒には溶けない性質をもっている.粘性、乳化安定性、懸濁性、吸水性があることから化粧水、乳液、各種のクリーム、ファンデーション、液状メークアップ化粧品に用いられるほか、クエン酸カルシウムのような塩類を加えて溶液の粘度を高め、ゼリー状製品として用いられる.また、皮膜形成を利用してパック類に、泡の安定性、粘度調整用として液体シャンプー、セットローションなどにも用いられている.(植村雅明)