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脂腺性毛包 [sebaceous follicle]

発達した脂腺が複数(多房性)付属している毛包(図).皮脂腺性毛包ともいう.顔面にもっとも高密度に存在する毛包で、次いで胸、背中の中心部にも存在する.脂腺性毛包はその構造が終毛性毛包や軟毛(柔毛)性毛包とはかなり異なり、脂腺性毛包の毛包管は太くかつ短く、毛穴も広いが、その中の毛はきわめて細く、短く、毛穴の外にはほとんど出ていない.毛穴が広く詰まりにくいと思われるが、毛包管の閉塞は出口でなく、毛包管の一部である漏斗部とよばれるところで起きやすい.このことが皮脂の排泄の障害ともなる.さらに脂腺性毛包に付属する皮脂腺は大きく発達し、皮脂産生能も高い.このような特有の構造のため、毛細管現象による皮脂分泌が滞りやすい.以上のことから脂腺性毛包は皮脂を皮表に出すという機序から見ると効率が悪く、脂腺性毛包には皮脂が貯留しやすいということがいえる.なお、にきびは脂線性毛包に特異的に発生する.(北村謙始)

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