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植物抽出物 [plant extract]
植物に由来するさまざまな成分．植物エキスともいう．近年の自然食品ブームに並行して、わが国でも自然を生活の中に取り入れる傾向が高まってきており、化粧品においても素材を天然の植物に求める声が高まっている．この動きは、スキンケア化粧品だけでなく、シャンプー、リンスなどのヘアケア化粧品分野にも広がっている．化粧品に配合される植物成分は、カミツレやハマメリス、ヘチマ、アロエなどからの粗抽出物と、生薬、和漢薬からほとんど純粋な形で単離されるもので、スキンケア化粧品や育毛剤などの有効成分として用いられている．グリチルレチン、アズレン、ヒノキチオールなど種々あり、これらの植物抽出物には、皮膚の収れん作用や清涼感を付与する作用がある．また、皮脂の分泌を調整し、肌のきめを整える成分としては、オドリコソウ、コウスイハッカ、シラカバ、ダイオウ、トルメンチラ、ハマメリス、フキタンポポ、ホップなどがあげられる．また、抗炎症作用があり、湿疹・かぶれなどの皮膚の炎症を軽減する成分としては、アロエ、オウレン、カミツレ、カンゾウ、シコン、シソ、ヒリハリソウなどで、殺菌・静菌作用があり、肌や頭皮を清潔に保ち、ふけ・かゆみを防ぐ成分として、カミツレ、タチジャコウソウ、トウキンセンカ、マンネンロウ、ユーカリなどが知られている．このほか、紫外線防止作用、皮膚賦活作用、保湿作用などさまざまな作用が植物抽出物にはあり、化粧品成分として使用されている．（小出倫正）