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シングルフローラル調 [single floral tone]

単一の花の香りが特徴となったシンプルで清純なイメージの香り.多くはローズ、ジャスミン、リラ、ミューゲ(スズラン)の4大フローラルであるが、そのほか、ガーデニア(クチナシ)、ハニーサックル、カーネーションなどの香りを主題としたものも見受けられる.日本市場でも、自然に咲くバラ、ハマナス、ユリなどの香りをフレグランスで再現することが一つの傾向になっている.若い女性に似合いそうな香りである.この香調の代表的な作品は“ディオリッシモ”(クリスチャン・ディオール社)である.20世紀最高峰の調香師エドモン・ルドニツカが、庭に咲いているスズランの花の香りに包まれたときにひらめいた香りといわれ、その香りは、花そのものというのではなく、スズランの雰囲気や、花の咲いている下草の匂い、葉についている露の輝き、辺りの風景など、それらすべてをイメージして創作されている.(松田美智子)

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