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スタイリング [styling]

ヘアスタイルをつくるための一連の行動であり、水分を含んで整髪しやすくなった髪を手ぐし、ブラシ、くし、カーラーなどで形づけ、その乾燥状態を調節しながら髪型を形づくり、さらにその状態を維持することを目的とする.ヘアスタイリングともいう.広義には半永久的な髪型形成との観点からパーマネント・ウェーブを含むが、通常は形成した髪型が洗髪により消滅して回復しない、1日単位の髪型形成のことをさしていう.
作用
毛髪内には4種の化学結合があるが、そのうち水素結合は水の塗布によって動きやすい状態になり、乾燥により再結合する.この作用から毛髪をぬらしてある一定方向に形づくり、そのまま乾燥させればスタイルが形成されるが、これは毛髪内部作用でのスタイリングといえる.その意味で水も広義にはヘアスタイリング剤といえる.これに対し、毛髪どうしを皮膜形成樹脂や粘着性油分により固定、形づくる方法があり、これは毛髪外部作用でのスタイリングである.ヘアスタイリング剤のうち水分を含む製品は、この毛髪内部と外部の両方の作用により、スタイルを形成させている.
方法
スタイリング方法は、加熱の有無と器具使用の有無で分類できる.熱を加えず、器具を用いない方法はナチュラルスタイリングまたは自然乾燥といわれ、スタイリング剤を塗布後、手ぐし、ブラシ、くしなどで髪型を形成する.スタイリング剤が揮発し終わるまで時間があるので、髪本来の型を生かした自然な感じに仕上がる.熱を加える方法としては、離れたところからドライヤーを用いて熱を加えるブロースタイリングと、髪に直接熱を加えるヘアアイロンなどの方法がある.加熱はヘアスタイリング剤の揮発を速くし、より強い固定力を発現させる.なおブロースタイリングは、手ぐし、ブラシ、くしで好みの髪型を形成する.スタイリングに使用する器具としては、カーラー、ホットカーラーがある.髪をカール状に形づくり、経時または加熱により乾燥させ形づくるもので、ウェーブスタイルをつくるために用いられる.髪型を形づくった後、これを保持するためにフィニッシュとよばれる作業があり、これには揮発性の速いヘアスプレーが用いられる.(植村雅明、百瀬浩)

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