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製瓶 [glass molding]

ガラスの瓶を製造すること.その工程は原料混合、溶解、製瓶、徐冷からなり、まずケイ砂、石灰石、ソーダ灰、くずガラスであるカレットなどの原料を規定の割合で混合し、溶融炉へ投入して約1,400〜1,600 ℃で溶解する.カレットはリサイクルと溶融温度を下げる役割で使用する.溶融炉は規模に応じてるつぼ窯、デイタンク、タンク窯の3種類があり、おもに使用されるタンク窯は溶融可能なガラスの量が数トン〜1,000トンに及ぶ.溶融方法は重油、電気、その併用があり、コスト、品質、燃焼ガスの公害規制などから併用方式が主流である.
製瓶方法には大別して自動製瓶、半人工製瓶がある.大量生産に適する自動製瓶の場合、溶融されたガラスは溶融炉から小さなトンネルをとおり、先端のフィーダー(供給装置)で瓶に適した形状・重量の約1,000 ℃のガラスの塊(こぶ)にはさみ(鋏)で切断され、製瓶機に投入される.
製瓶機はIS機(individual section machine)とリンチ機(lynch machine)があり、主流のIS機は粗型と仕上げ型からなる一対の成形機(セクション)が数個一列に並んでいて、各セクションは独立した成形工程になっている.一方、リンチ機は粗型と仕上げ型が回転するテーブルに取りつけられているロータリータイプである.製瓶の金型は粗型、仕上げ型、口型および底型からなり、こぶは口部を下にして取りつけた粗型に入り、最初に口部が成形された後ブローまたはプレスで予備成形される.次に口部をつかんだ状態で反転して製品形状の仕上げ型に移され、空気でブローされてから瓶が取り出される.ブローで予備成形する方式はブローアンドブロー方式とよばれおもに細口瓶に使用され、プレスで行う方式であるプレスアンドブロー方式は広口瓶に使用される.最後に、製瓶時に受けた急冷によるひずみを除くために、600 ℃付近の軟化温度まで再加熱し、後に約1時間半程度かけて徐々に冷却する徐冷工程を連続式のトンネル炉で行う.化粧品容器の一般的な製瓶方法である.
半人工製瓶の原理は自動製瓶と同じだが、その工程を3〜4人の人手で行う.多品種少量生産や製品試作に適しているが、るつぼ窯などを使用するため、ガラス組成も比較的簡単に変更できる反面、製品の寸法などのばらつきが大きい.このほか、管引き機械でつくったガラス管を切断し口部や底部を熱加工してつくる管瓶もある.(佐藤達夫)

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