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生分解性プラスチック [biodegradable plastic]
使用中は通常のプラスチック製品と同様に使用でき、使用後は自然界に存在する微生物によって最終的には水と二酸化炭素に分解されるプラスチック.生分解プラスチックともいう.経済産業省で愛称を公募した結果、グリーンプラと名づけられた.通常はコンポスト(堆肥)化施設内で有機性廃棄物と同程度の速度で微生物分解を受ける.大きく、①原料が石油由来のものと、②原料が植物由来のものがある.
(1)原料が石油由来のもの
コハク酸と1、4-ブタンジオールの重縮合からなるポリブチレンサクシネート系の脂肪族ポリエステルが代表的なものである.乳白色の樹脂でポリエチレン様の柔軟性をもつ.フィルム、シート、フィラメント、不織布、ラミネート品、発泡成形品などに用いられており、化粧品容器のキャップにも採用例がある.ほかに、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートアジペートなどがある.
(2)原料が植物由来のもの
トウモロコシからとれるデンプンを原料とし、乳酸発酵を経て化学合成される植物由来の樹脂としてポリ乳酸があげられる.生分解性プラスチックの中で唯一透明性を有する.土や水の中では数年は安定だが、堆肥の中では薄いフィルムなら1週間程度で分解される.農業用のマルチシートやハウス用のフィルムなどに実用化されている.(佐藤達夫、松野高明)