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赤外線療法 [infrared therapy]

赤外線を用いて行う種々の療法のこと.赤外線とは0.76〜1000 μm(1 mm)の電磁波で、0.76〜2.5 μmの近赤外線(IR-A)、2.5〜50 μmの中間赤外線(IR-B)、50〜1000 μmの遠赤外線(IR-C)に分けられる.赤外線というと暖かい赤外線ランプを連想しがちだが、絶対零度(−273 ℃)以上の温度にあるものはすべて赤外線を出しており、冷水や冷めたアイロンも発している.よって、赤外線療法とは、赤外線ランプやパラフィン浴、温水浴などを用いた温熱療法だけでなく、アイスパックや冷水浴などの寒冷療法も含まれる.
赤外線(0.76〜3 μm)の生体への温熱作用は、加温部の温度を上昇させて、血管を拡張させ、代謝を促すことで筋肉の緊張緩和や痛みを和らげる効果がある.一方、冷却作用は、温熱作用とは逆に冷却部の温度を下げて血管を収縮させ、代謝を減少させるもので、これには炎症の緩和効果がある.また、化粧品分野でも、マイルドな温冷作用が、心地よさの面から温感パックや日焼け後のほてり感を鎮める化粧品に応用されている.(塚田弘行)

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