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転相 [phase inversion]
乳化においてエマルションの連続相と分散相が逆転する現象.転相が起こる条件としては、親水性-親油性バランス(HLB)の変化や連続相と分散相の容積比の変化がある.メーク落としに用いられる水中油(o/w)乳化型クレンジングクリームは、皮膚上でのマッサージ中の水分蒸散により油中水(w/o)型へ転相して油性汚れを溶解、クレンジング力を発揮する.また、酸化エチレン付加型非イオン性界面活性剤のHLB(親水性-親油性バランス)は、温度により大きく影響を受け、高温では親油性、低温では親水性となる.そのため、非イオン性界面活性剤を乳化剤とするエマルションを高温から低温へ冷却する(あるいは低温から高温)へ変化させると、エマルションの連続相と分散相は逆転する.(鈴木敏幸)