LIBRARY ライブラリー
塗布具つき容器 [applicator container]
直接、肌などに塗布用具を介して化粧料を塗布できる容器を総称していう．代表的な容器として、ネイルエナメル容器やマスカラ容器、スポンジつき容器などがあり、使用される部位や用途によってその形態は多種多様である．（1）ネイルエナメル容器小型の細口ボトル容器とキャップからなる構成であり、キャップと一体の軸またはキャップにはめあわされた軸の先端に、ナイロンなどの繊維が植毛されたブラシがついている．このブラシを使って爪に塗布することができ、使用性はおもに繊維の長さや太さ、本数で調整する（図1）．（2）マスカラ容器マスカラやアイライナーなどには円筒状の容器が使用される．容器形態はねじ式ボトルの構造で、キャップには軸が固定され、軸の先端にブラシや筆、チップ（ポリウレタンなどの多孔質素材の用具）などの塗布具が取りつけられている．また、塗布具に適量の化粧料がつくようにするため、しごきとよばれる部材が本体容器口元に取りつけられている．使用される材質はプラスチック、金属、または両方を組み合わせたもので、しごきにはゴムやポリエチレン（PE）が一般に使用される．（3）チップオンタイプ容器おもにアイシャドーなどに使用される．棒状容器のキャップに固定された軸の先端に、ポリウレタンやアクリロニトリル-ブタジエンラバー（NBR）などの多孔質素材でできたチップが取りつけられている．そのチップに化粧料がスプリングなどで押しつけられており、容器を軽く回すことでチップで化粧料を取り、肌に塗布することができる（図2）．（4）スポンジつき容器細口ボトル容器の口元にポリウレタンなどの多孔質体や布地を固定した中栓が取りつけられている容器をよぶ．容器を軽く押し出す（スクイズ）ことでこの多孔質体などを通して液状の化粧料が適量、中栓の表面に供給される．化粧料としてはリキッドファンデーションやデオドラントローションなどの液状のものに使用される．（鳥居晶仁）