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毛髪の損傷 [hair damage caused]

永久染毛剤は、主要成分として酸化染料、アルカリ剤、過酸化水素からなりたっており、これら成分の化学反応によって染毛と脱色が同時に行われている.これらの化学反応は、染料の酸化とメラニン色素の脱色にとどまらず、毛髪の内部にも影響を及ぼし、毛髪内部の細胞膜複合体やタンパク質の溶出、ケラチンタンパク質の酸化が起こっている.そのため、毛皮質が備える毛髪の水分を保持する機能が損なわれ、毛髪のパサつき、はり、こしがなくなる、ヘアスタイルのもちが悪くなるといった問題が生じる.また、毛髪表面の紋理も変化し、キューティクル(毛小皮)が剥離して毛皮質がむき出しになるなど、毛髪の光沢がなくなり弾力や張力が低下する.こうした損傷は、染毛の過度な施術や、繰り返しの染毛処理を行うたびに進行し(図3)、枝毛切れ毛の発生などの原因となる.このような現象を防ぐためには、毛髪の状態をよく調べ施術時(染毛時)の条件を考えることが大切である.また、施術後はトリートメントなどによりアフターケアを十分に行い、毛髪をよい状態に保つことが必要である.(小川朋康、神戸哲也、杉本憲一)

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