LIBRARY ライブラリー
無機顔料 [inorganic pigment]
無機系の顔料に属し、化粧品に彩色性、被覆性、展性、付着性などの特性をもたせるために使用される．鉱物性顔料ともよばれ、従来は酸化鉄を主成分とする赤土、黄土、緑土などの天然鉱物などを粉砕して使用していたが、不純物を含むため鮮やかな色が得られず、品質も安定しないことから、現在では合成無機化合物のほうがおもに用いられている．無機顔料は、色彩の鮮やかさなどの点では有機顔料に劣るが、耐光性、耐熱性が良好で、アルコールや油などの溶媒に溶けないなど耐溶剤性にも優れている．また無機顔料は、色調の調整や伸展性、付着性などの製品の使用性、光沢などを調整し、製品の剤形を保つための体質顔料、製品の色調を調整するための着色顔料、色調のほかに隠ぺい力をコントロールする白色顔料などに分けられる（表）．（小出倫正）