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リサイクル素材 [recycling material]
廃棄物からリサイクル(再生)された素材のこと.化粧品容器に使用されている素材としては、紙*、ガラス、金属、各種プラスチックがあるが、それぞれ以下のようにリサイクルされている.
(1)紙
古くから古紙回収システムができており、再生紙として化粧品容器の箱や説明書、パンフレット類に使用されている.再生紙は森林資源の大きな節約になるばかりでなく、木材からパルプを製造するのに比べてエネルギー消費量は約70%減となり、省エネルギーにも貢献している.
(2)ガラス瓶
古くから飲料用の瓶などにおいて回収・洗浄・再利用という方法でリサイクルされてきたが(リターナブル瓶)、近年、製品の流通や消費スタイルの変化からワンウェイボトルが主流となってきた.ワンウェイボトルはカレット(粉砕したガラスのくず)としてガラス瓶の原料にリサイクルされており、化粧品容器に使用されているガラス瓶にも、生産時に発生したカレットがよく使用されている.
(3)金属
ガラス同様リサイクルしやすい材料であり、すでにアルミニウム、スチールなどの飲料缶は自治体などの回収システムによりリサイクルされている.しかしながら、化粧品容器に使用されている金属はプラスチック類との複合材料であるため、単一素材に分類することが難しく、現状では飲料缶のような回収システムは整備されていない.
(4)プラスチック
化粧品容器をはじめ多くの包装材料に使用されており、廃棄物の中でプラスチックの占める割合は多い.しかし、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)など種類が多いことや、複合材料(異種プラスチックや多材質との複合)として使用されることが多いため、リサイクル困難な材料とされている.プラスチックのリサイクルの方法は以下の三つに分類できる.
①マテリアルリサイクル:樹脂として再利用する方法(一部の化粧品容器、たとえば、シャンプーなどのボトルには再生樹脂が使用されている)
②ケミカルリサイクル:化学分解により油や原料(モノマー)に戻す方法
③サーマルリサイクル:焼却して熱エネルギーとして回収する方法(佐藤達夫)