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HLB値 [HLB value、 HLB number]
界面活性剤の性質を表す概念、親水性-親油性バランス（HLBあるいはH/Lバランスともよぶ）を分子構造と乳化実験などの結果などから数値化したもの．HLB数ともいう．Atlas Powder社のGriffinは乳化の実験から、界面活性剤の分子構造と性質との関連を調べ、それを数値化し、HLB値として界面活性剤に割り振った．HLB値は経験に基づく半定量的な数値であり、さまざまなHLB算出法が提案されている．（1）Griffinの式多価アルコール脂肪酸エステルの場合、■（数式）■ここで、Sはエステルのけん化価、Aは原料脂肪酸の中和価であるまたは、■（数式）■ここで、Eは酸化エチレンの重量％、Pは多価アルコールの重量％である．酸化エチレン型非イオン性界面活性剤の場合、■（数式）■HLB値が大きいものほど親水性が強く、小さなものほど親油性が強い．また、複数の界面活性剤を用いたとき、HLB数には加成性がなりたつ．すなわち混合界面活性剤のHLB値は、それぞれの界面活性剤の重量分率とHLB値との積の和として求められる．（2）Daviesの式界面活性剤の親水基親油基に表のような数値（基数）を割り当て、次の式によりHLB値とした．■（数式）■親水基および親油基の基数は表に示した．（誘導基は親水基と親油基が組み合わさったもの）（3）川上の式■（数式）■ここで、Mwは親水基の分子量、Moは親油基の分子量である．（鈴木敏幸）