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エラスターゼ [elastase]
エラスチンを特異的に分解する加水分解酵素で、膵臓エラスターゼと白血球エラスターゼがよく知られている.セリン残基を活性中心にもつセリンプロテアーゼの一種.同じセリンプロテアーゼであるトリプシン、キモトリプシンとは分解機構が同じで立体構造もよく似ているが、分解するタンパク質は異なる.エラスターゼの前駆体であるプロエラスターゼ(分子量26,000)がトリプシンによりN末端ペプチドが切断され、分子量が25,900になり活性化し作用を示す.その作用は、微生物から見出された特異的な低分子ペプチド性の阻害剤、エラスチナールで強く阻害されるが、ほかのセリンプロテアーゼを阻害するロイペプチン、アンチパイン、キモスタチンには阻害されないことが知られている.(西山敏夫)