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大人のにきび [adult acne]

20、30歳代の女性に発生するにきびのこと.以前は吹き出物などとよばれることが多かったが、しかし医学的には定義されていない.にきびは思春期のシンボルなどとよばれてきたが、この年代でも重大な肌の悩みである.性周期に同調し、年間を通して繰り返しぽつんとできやすいというのが特徴である.
女性の肌の悩みとにきびに対する意識
(1)にきびは思春期以降も大きな肌の悩みにきび・吹き出物は20、30歳代の多くの女性にとって、しみやそばかすに匹敵するほどの高い肌悩みで、年々増加の傾向にある.12〜39歳を対象にした調査では、にきび・吹き出物ができやすいと感じている女性は約70%に達している.
(2)大人のにきびと肌質、季節一般に肌質は乾性肌普通肌脂性肌および乾燥型脂性肌の4タイプに分類され、脂性肌の割合が増える夏季ににきびが増えるとされていた.しかし、20、30歳代の健常女性のにきびは、脂性肌、乾性肌といった肌タイプに関係なく、また季節による肌質の変化にも影響を受けず、年間を通してできやすいことが特徴である.
(3)大人のにきびの特徴思春期にきびが顔全体、とくに額や頬などに多いのに対し、20、30歳代では顎(あご)や頬、鼻のまわりなどにできやすく、また、にきびが顔全体にばらばらと散発してできた思春期に比べ、20、30歳代ではぽつんと1個ずつ、単発的にできやすい特徴がある.
皮膚生理
大人のにきびができやすい女性の皮膚生理的特徴は、角層バリア機能および緩衝能など角層機能がにきびのできにくい女性に比べ低下している傾向にある点である.また、大人のにきびができやすい時期と性周期(ホルモン変動)は同調しており、月経前がもっともにきびが発生しやすい.性周期は皮脂分泌量に影響するだけでなく、角層機能にも大きく影響し、両者が相まって大人のにきびをできやすくしている.
大人のにきびケア
予防にはにきびの予防ケアと同様、食事や生活リズムに対する配慮をすることはもちろんであるが、大人のにきびができやすい皮膚生理にいっそう配慮したスキンケアが大切である.角層機能を良好な状態に保つために、洗顔とともに肌の乾燥や肌荒れに対するスキンケアを正しく行うことが大切である.(北村謙始)

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