LIBRARY ライブラリー
官能評価 [sensory evaluation]
官能検査、官能試験ともいう．測定機器では測定が難しい感覚（外観、色調、使用性、香り、味、音など）を人間の五感（視覚、触覚、嗅覚、味覚、聴覚）を使って行う評価方法．サンプルの特性を知るための専門パネルによる分析型官能評価と、一般消費者を対象とした嗜好型官能評価の二つに大別される．官能評価は人間の感覚に依存し、個人個人の基準に照らして対象物の価値が決められることなどから、評価者による個人差、再現性の低下、サンプルに対する慣れ、繰り返し評価による疲労の発生、などが問題となる．これら諸問題を解決し、評価結果の客観性を高めるために、データの取り方（用語、質問形式、サンプルの組み合わせなど）や結果の取り扱い（データ処理、統計手法の開発、解析など）などの方法について多くの検討がなされている．なお、化粧品の官能評価は、最近では製品の品質保証という観点のほかにも、心理面に及ぼす効果や商品の市場評価の把握、好ましいコンセプトの模索、ユーザーニーズの把握などに活用されている．（宮田美紀）