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コラーゲンゲル収縮 [collagen gel contraction]
線維芽細胞がコラーゲン線維を引っ張り、収縮する現象.酸で溶解、あるいは酸性下ペプシンで分解することにより、組織からI型コラーゲンを抽出する.そして、それを中性下、37 ℃で生理的イオン強度のもとで調製するとコラーゲン分子と分子が重合してコラーゲン線維を再構成する.この再構成したコラーゲン線維のことをI型コラーゲンゲル、あるいはたんにコラーゲンゲルとよぶ.コラーゲン分子から線維を再構成させるさいに線維芽細胞を混合しておくと、その中で線維芽細胞を培養することができる.この線維芽細胞含有コラーゲンゲルをシャーレから剥離すると、線維芽細胞はコラーゲン線維を引っ張り収縮し、コラーゲン線維を配向させ、弾力のある真皮類似構造をつくり上げる.この現象をコラーゲンゲル収縮といい、収縮したコラーゲン線維の集合体を収縮ゲルとよんでいる.収縮ゲル内のコラーゲン線維の密度は、実際の皮膚の結合組織に匹敵するほど高くなり、また再構築されたコラーゲン線維の立体構造の中で線維芽細胞は形態を大きく変え、増殖は抑制され、さらに酵素の発現や細胞膜の物質の透過性は*真皮の状態に類似してくる.(圷信子)