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すすぎ感触 [feeling on rinse]

シャンプーを頭髪上で泡立て、その後お湯で洗い流すさいの指通りの感触をいう.シャンプーの主剤は、陰イオン性界面活性剤という水溶液中でマイナスの電荷をもつ起泡洗浄剤である.これ自身シャンプーの基本機能はもっているが、実際に使用してみるとすすぎ時の指通りが悪く、髪がもつれてしまって毛髪の損傷を招きやすい.そのためシャンプーには、このすすぎ時の指通りをよくする目的で陽イオン性ポリマーが配合されている.水溶液中でプラスの電荷をもつ陽イオン性ポリマーが陰イオン性界面活性剤と共存すると、両者は静電的に結合し水不溶性の複合塩を生じ、このシャンプー施術中に生じる複合塩形成のプロセスがすすぎ感触を良好にしている.通常のシャンプーは複合塩が多量の起泡洗浄剤に溶けた状態の液体であり、これを毛髪になじませた後、湯水で洗い流すと起泡洗浄剤は希釈されて溶けていた不溶性の複合塩が析出される.この複合塩は親油性の粘着物質なので毛髪に容易に付着し、指と毛髪間の摩擦を低減させるというわけで、結果としてすすぎ時にきしまずなめらかな感触が得られるのである.シャンプーのすすぎ時の“きしみ”“ひっかかり”の評価法としては、引っ張り試験機を応用したくし通り抵抗測定機がある.これは引っ張り試験機を応用したもので、ぬれた毛束にくしを通したときにかかる負荷荷重を測定する方法である.さらに、実際にすすぎ用の温水が流れる中で、毛束中の毛髪間の相互摩擦力を定量化する方法が水流中での毛髪摩擦測定法である.この方法は、両端が開放されたガラス管に毛束を固定し、一方から温水を流して、上流部と下流部の2点における流体圧力差を測定することにより、すすぎ時の毛髪間摩擦を評価するものである.本法は官能評価とよく一致した結果を示す.(植村雅明、中間康成)

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