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陰イオン性界面活性剤 [anionic surfactant]
水に溶かしたとき、イオンに解離して親水基の部分が陰性に帯電する界面活性剤のこと．歴史的にも古く安全性も高いため、洗浄剤をはじめとして乳化剤などに現在もっとも広く用いられている．石けん（高級脂肪酸石けん）はその代表的なものであり、高級脂肪酸のアルカリ金属塩（カルボン酸塩）である．一般に親水基部分はカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩などがあり、対イオンとしてナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩などの水可溶性塩が使用される．また、親油基部分には種々のものが用いられるが、アルキル基、イソアルキル基などがおもなもので、さらに構造中にエステル結合をもつアルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、酸アミド結合をもつN-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、エーテル結合とエステル結合をもつポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などがある．これらの陰イオン性界面活性剤は洗浄力が強く、泡立ちがよいので、シャンプーや洗顔料などの洗浄剤の主成分として用いられる．（小出倫正）