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全身性エリテマトーデス [systemic lupus erythematosus]

いわゆる膠原病で、SLEと略してよばれる.男女比は1:10で20歳前後の女性に圧倒的に多い.代表的な皮膚症状は、両頬部に対象的に分布し、チョウが羽を広げたようにみえる蝶形紅斑である.皮疹部および無疹部もとに基底膜に免疫複合体の沈着が見られる.皮膚以外の臓器では、腎臓、心臓、関節、筋肉、中枢神経系が侵されることが多く、血管壁や腎糸球体の基底膜にも認められる.患者血清中には、抗核抗体、抗DNA抗体、リウマチ因子などの自己抗体が検出される.このような所見から、SLEは自己免疫疾患の代表的なものと考えられている.本症患者では、細胞性免疫が低下していることが多く、ウイルスや真菌感染がしばしば再発するので注意が必要である.日光暴露や過度の疲労など、肉体的、精神的ストレスが増悪因子となりやすいのでできるだけ避けることがたいせつである.(日比野利彦)

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