LIBRARY ライブラリー

硫黄 [sulfur、 sulphur]

岩石中には硫化物、単体、硫酸塩などとして、火山ガス中には硫化水素、二酸化硫黄として、海水中には硫化イオンとして含まれる元素.生態に不可欠であり、無機態のほか、アミノ酸など数種の有機態のものがある.淡黄色〜黄色の微細な無晶系または結晶性粉末である.温度が高くなるに従い色が濃くなって、融解すると淡黄色の流動性の大きい液体となり、高温になると濃色濃粘稠に変わる.180℃付近で最粘稠となり、さらに加熱するとふたたび流動性になる.比重2.05〜2.09、融点113℃.二硫化炭素に溶けやすくオリーブ油に溶けにくい、水に不溶、エタノール、ジエチルエーテル、ベンゼン、グリセリンにはほとんど溶けない.結晶性硫黄、無定形硫黄、液状硫黄など種々の同素体がある.還元漂白を目的として、クリームなどに配合するほか、殺菌作用を有することによりにきびや吹き出物の炎症をおさえる作用がある.(西田勇一)

用語検索

索引