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ドーラン [dohran]
おもに舞台や撮影用に用いられる油性の練白粉(ねりおしろい)のこと.ボールミルやロールミルなどを用いて、着色顔料や粉体原料を油性の基剤に練り込み、のびや定着性を向上させるとともに、汗などに対する耐性をもたせたもの.ドイツのドーラン(Dohran)社の製品がよく使われたことから、この名称でよばれるようになった.グリースペイントともよばれる.このタイプの練白粉は、基剤となる液状油や固形状の油性物質の種類や配合比を変更することにより、さまざまな粘度に調整できる.また、色数が非常に多く、色を混ぜ合わせたり塗り重ねたりすることによって、任意の肌色を表現することができる.油性感が強く、仕上がりが不自然になりやすいため一般にはあまり使用されないが、定着性や被覆性に富むため、通常のファンデーションでは隠すことが難しいしみやあざなどをカバーすることが可能である.使用時は分泌した皮脂をおさえるため上から粉白粉を使用するのが一般的である.(脇山心一)