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ファンデーション [foundation]

ベースメークアップの一つで、しみそばかすなどの欠点を隠して肌を美しく見せる、紫外線や乾燥などから肌を守る、といった働きがある.使用する季節や肌質、年齢、目的などによってさまざまな使用感のものが求められており、これらに対応するさまざまな剤型が存在する.ファンデーションの構成成分はおおまかに、粉体成分とこれらを分散させる基剤とに分けられる.粉体成分としては、おもに体質顔料白色顔料、着色顔料、真珠光沢顔料(パール剤)などが、基材としては油、ろう(ワックス)、保湿剤、界面活性剤などがあげられ、それぞれ目的や剤型に応じて配合されている.剤型別に分類すると、粉末固形ファンデーション、乳化型ファンデーション、油性ファンデーションの三つに分けられ、それぞれに特徴をもったものとなっている.
粉末固形ファンデーション
おもに粉体(約85〜95%)と油(約5〜15%)、界面活性剤などからなり、粉体に油などをバインダー(結合剤)として均一に噴霧し圧縮成形したコンパクトタイプのファンデーションである.コンパクトタイプで携帯性がよいため広く一般に普及している.このタイプはさらに3種類に分類される.
(1)パウダーファンデーション(プレスドパウダーファンデーション)
乾燥したパフを使用するタイプ.化粧が簡便で軽くのび、滑らかな感触の仕上がりとなる.
(2)ケーキファンデーション
パフに水を含ませて使用するタイプ.界面活性剤が配合されているため、水を含んだパフで使用すると塗布時に乳化状態となり、フィット感のあるさっぱりとした仕上がりとなる.
(3)両用ファンデーション
乾燥したパフ、水を含ませたパフ、どちらでも使用が可能なタイプ.乾燥したパフを用いたときはパウダーファンデーションのような使用感、水を含ませたパフ用いたときはケーキファンデーションのような使用感となる.
乳化型ファンデーション
おもな構成成分は、粉体、油、水、界面活性剤などからなり、水中油(o/w)型と油中水(w/o)型に分類される.それぞれ、液状から乳液、クリーム、固形状までさまざまな形状がある.
(1)o/w型乳化ファンデーション
親水性であるため肌なじみがよく、肌への保湿力が高いが、耐水性に弱く化粧もちが悪い傾向にある.一般に、保湿エモリエント性をうたったものが多い.
液〜乳液状の剤型のものはリキッドファンデーションとよばれる.みずみずしい使用感で肌なじみがよく肌への保湿力が高いが、耐水性が弱いため化粧もちが悪い.
クリーム状の剤型のものはクリームファンデーション、ファンデーションクリームともよばれ、保湿性、エモリエント性が高く、スキンケア効果のあるファンデーションの剤型として用いられることが多い.
固形状のものには、コンパクト流し込み型ファンデーションがある.これはo/w型エマルションを水溶性ゲル化剤で固め、そこに粉体を安定に配合する技術の開発により実現したものである.乳化型ファンデーションでありながら、コンパクト使用となっているため手軽に使えることが特徴である.
(2)w/o型乳化ファンデーション
油剤などの選択によりさらっとした使用感からエモリエント性が高いものまであり、外相が油なので耐水性に優れ、化粧もちがよい傾向にある.
w/o型のリキッドファンデーションは、揮発性の高いシリコーンなどを用いることにより、あまり油性感のないさらさらした使用感のものが多く、化粧もちがよい.
固形状のものには、コンパクト流し込み型ファンデーションやスティック型ファンデーションがある.これらは、w/o型エマルションのオイル/ワックス中に粉体を安定に分散させる技術の開発により実現したものである.コンパクトやスティック使用となっているため手軽に使え、使用感はw/o型の液状ファンデーションと油性ファンデーションの中間となる.
油性ファンデーションおもな構成成分は、油(約30〜70%)と粉体(約30〜70%)などからなる.油と粉体の配合比や油の種類などによって、液状から固形までタイプはさまざまである.一般に耐水性は高いが、てかりやすい(皮脂が浮き出てあぶらっぽく見える状態)傾向にある.
液状タイプの油性ファンデーション(リキッドファンデーション)は、おもに揮発性の高い油剤を用いており、軽くさらっとした使用感で、耐水性が高く、化粧くずれしにくい.
一方、固形タイプのものには、固形のワックスなどによって形状を保持し、皿へ充填されたコンパクト型や油性軟膏型ファンデーション、スティック状に形成充填された油性スティック型ファンデーションがある.これらはエモリエント効果が高く耐水性に優れ、また密着感が高くカバー力もあるため、しみやそばかすをカバーする部分用ファンデーションとして使用することが多い.油性スティック型ファンデーションはスティック状にするためにコンパクト型や油性軟膏型ファンデーションよりもやや硬い使用感である.(隅谷真希)

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