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匂い紙 [smelling strip、 blotter]
香料の品質の評価や香りの鼻による分析のために用いる、細長い形状の濾紙幅0.5〜1 cm、長さ15 cmくらいが一般的なサイズである.香料の判定は、最終的にやはり鼻でかぐという官能評価法にならざるを得ない.香料原液あるいは香料を溶剤に希釈したものを匂い紙の端につけ、鼻でかいで評価する.評価の仕方も目的によって異なるが、基本的には、時間の経過によるトップノート、ミドルノート、ベースノートの変化を観察する.精油は天然物なのでクロップ(収穫)ごとの品質が変動する可能性があるので、文字どおり同じであることを評価する.ある香料を鼻でかぎながら同じような香料をつくることを、イミテーションするという.これは調香師の技術習得の一つの課程であるが、その場合は何の成分が入っているのかを分析しながらかいでいく.また、香りが時代のニーズを先取りできているかについて評価することをエバリュエーションという.この場合は、一般に直感的な感覚で評価される.もっともこれには、匂い紙だけでなく、最終製品の形で評価される場合が多い.(浅越亨)