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日光角化症 [solar keratosis、 actinic keratosis]

長期にわたり紫外線に当たる機会が多かった高齢者の顔面、頸部、前腕、手背などの日光露出部によく出る小型の角化性紅斑、丘疹性病変のことで、老人性角化症、老人性角化腫、光線角化症ともよばれる.欧米、豪州と比較してわが国ではそれほど多くはないが、それでも近年増加傾向にある.それは高齢人口の増加と、オゾン層破壊による地表に到達する紫外線量が増えたことが原因といわれる.がん化率は20%前後といわれている.仮にがん化しても進行は遅く、転位率は低く、自然消退することもある.境界は不明瞭で、辺縁に潮紅を伴うことから脂漏性角化症とは容易に鑑別がつく.組織学的には表皮の肥厚、または萎縮、不全角化と有棘(ゆうきょく)細胞の異形性、表皮内裂隙、真皮上層の好塩基性変性と炎症細胞浸潤を示している.(伊福欧二)

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