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乳化カプセル [emulsification capsule]
おもに口紅に保湿機能を付与するため、水や保湿剤などの水性基剤を乳化剤などであらかじめ安定化させたもの．直接これら水性基剤を口紅中に安定な形で配合することは、色素の結晶性の変化や構造変化による変色および退色、無機顔料の凝集による口紅外観の彩度の低下、パール剤の凝集などの問題が起こりやすく難しい．そのため、水性基剤が直接顔料と接触しにくいようにする工夫がなされている．例としては、水をその内部に包接する水膨潤性粘土鉱物をカプセルの殻（シェル）として応用するなどがある（図1）．近年では、それ自体が保湿効果をもつシクロデキストリン誘導体と抱水性油分であるコレステロールエステルを複合化（包接）させたものを、殻として応用する技術がある．この複合体自身が親水部（シクロデキストリン誘導体）と親油部（コレステロールエステル誘導体）をもつために乳化能を有し、水性基剤を内部に閉じ込めた乳化カプセルが得られる（図2）．この乳化カプセルは、従来型のものに比べ高い保湿効果および唇改善効果を得ることができる．(南孝司）